迷いと決断
出井 伸之
前ソニーCEOによる著書。
決断するまでは、誰しも迷う。
ましてや、従業員16万人、売り上げ総額7.5兆円の企業の運命がかかっているのならば…。
一社員から、ソニー初の「プロフェッショナル経営者」として社長に就任した著者は、瀕死の状態だったソニーの立て直しに成功する。その軌跡
出井さんが社長に就任したのは、大きな転換期を迎えた1995年。
創業者がカリスマ性で会社を回していた時代は終わり、「技術」としての経営が必要になった時代。
エレクトロニクスの雄としてビジネスを展開してきたソニーに、ITの事業を加え、アナログからデジタルの時代へと変容する中で、ソニーといえども変わっていかなければならなかった変革の最中。
赤字に転落する寸前に社長に就任し、売上を4兆円から7兆円に増やし、見事にソニーを復活させて見せた。
その後、ソニーは赤字に転落し、出井氏もCEOの座を譲ることになるので、敗者のイメージが付きまとうが、その業績は文句なくすばらしい。ソニーの変革を成し遂げたのだから。
この本は、経営のノウハウ本ではない。経験という貴重な価値を書き綴った一冊である。
ソニーファンならずとも、是非目を通しておきたい本である。
11冊目読破!